「タイピングなんて、文字が打てれば何でもいいでしょ?」 「自分流だけど、そこそこ速いから困ってないし」
もしあなたがそう思っているなら、非常に勿体ないことをしています。 我流タイピング(通称:俺流打法)の最大の弊害は、速度ではありません。 「疲れ」です。
キーボードを見るために視線を下げ、画面を見るために視線を上げる。 この「首の上下運動」を1日何千回と繰り返しているから、あなたの肩こりと眼精疲労は治らないのです。
今日はバレンタインデーですが、甘いチョコを食べる前に、少しだけ自分に厳しくなってみませんか? この週末2日間で、一生モノのスキル**「タッチタイピング(ブラインドタッチ)」**の感覚を掴むための、大人の矯正メニューを紹介します。
1. なぜ「我流」は限界が来るのか
我流で速い人もいますが、彼らは「指の運動神経」でカバーしているだけです。 これには2つの限界があります。
- ミスタイプが減らない
- 指の配置が決まっていないため、脳の処理リソースを「キーを探すこと」に使ってしまい、文章を考えることに集中できません。
- 姿勢が悪くなる
- 手元を見る=猫背になる。これがデスクワークの諸悪の根源です。
正しいタッチタイピングは、「F」と「J」の突起を触ることから始まります。 ここをホームポジション(実家)とし、どこへ旅に出ても必ず実家に帰ってくる。 このルールを守るだけで、視線は画面に固定され、背筋が伸び、疲れ知らずになります。

2. 矯正は「苦痛」を伴う
先に言っておきます。 我流を矯正し始めた最初の1週間は、今までより入力速度が落ちます。 これが一番の挫折ポイントです。
「あーもう! 今までの打ち方の方が速い!」とイライラして元に戻りたくなるでしょう。 しかし、そこをグッと堪えてください。 その「Jカーブ(一時的な停滞)」を抜けた先には、我流では絶対に到達できない「思考の速度で入力する世界」が待っています。
3. 週末2日で終わらせる「3ステップ矯正法」
ダラダラやっても意味がありません。この土日で基礎を叩き込みます。
ステップ1:『e-typing』で「指」を決める(土曜 午前)
まずは無料サイト「e-typing(イータイピング)」を使います。 ここで大事なのはスコアではありません。「表示された指使いを守ること」です。
- 「A」は小指で押す。
- 「U」は人差し指で押す。
画面に表示される指の指示を、意地でも守ってください。 最初はロボットのようにぎこちなくてOKです。「正しい指で押す」という回路を脳に焼き付けます。
ステップ2:手元を「物理的」に隠す(土曜 午後)
キーボードを見ないように意識しても、人間は見てしまいます。 なので、物理的に隠します。
- タオルを手に被せる。
- 付箋をキーートップに貼って文字を隠す。
おすすめは「無刻印キーボード」を買うことですが、まずはタオルで十分です。 「見ても無駄だ」と脳に理解させると、指先の感覚(FとJの突起)だけを頼りに打ち始めます。 これが「開眼」の瞬間です。
ステップ3:『寿司打』で「圧」に慣れる(日曜)

正しい指使いを覚えたら、次はスピードです。 タイピングゲームの王道「寿司打(すしだ)」で、流れてくる寿司(制限時間)というプレッシャーの中で指を動かす練習をします。
最初は「3000円コース」で損をしても構いません。 「絶対に手元を見ない」という縛りプレイでクリアできた時、あなたはもう初心者ではありません。
4. 道具のせいにしてもいい
もし、どうしても指が疲れるなら、それはキーボードのせいかもしれません。 ノートPCのペラペラのキーボードは、打鍵感がなく、指への衝撃が強いため、タッチタイピングの練習には不向きです。
プロの事務職は、「HHKB(Happy Hacking Keyboard)」や「REALFORCE」といった、静電容量無接点方式のキーボードを使います。 これらは「スコスコ」という心地よい感触があり、指が勝手に次のキーを打ちたくなる魔法の道具です。 「道具から入る」のも、立派な上達手段です。
まとめ:タイピングは「一生使う」スキル
- 我流は「疲れ」の原因。ホームポジションを守れ。
- 最初の1週間は遅くなることを覚悟しろ。
- 『e-typing』と『寿司打』で、ゲーム感覚で矯正せよ。
事務職としてあと20年働くとして、毎日数千文字を打ち続けます。 その全ての入力が「快適」になるか、「苦痛」になるか。 この週末の投資効果は、計り知れません。
さあ、今すぐブラウザの新しいタブを開いて、「e-typing」と検索してみてください。

